今週のワタシの頭の中
2008年1月26日 土曜日

バイオリニスト・五嶋みどりさんの母上の著作。五嶋みどりさんがどういう環境に育ったのかも興味深いのだが、ぱらぱらとページをめくっただけでも歯にものを着せぬ率直な意見が眼に飛び込んできて、7秒で購入決定。すごいひとはこれくらいキチガイでいいんです。
この本は最近読んだ中ではだんとつ話の密度がすごい。IBMのスーパーコンピュータ「ディープブルー」と対決したことで有名なチェス元世界チャンプ、ガルリ・カスパロフによる「決断力」を解き明かす書。将棋やチェスの天才的名人の思考は、神がかった直感的な決断の連続で成り立っているのだと思っていたが、私の大間違いだった。最近の自己啓発本で「最終到達地点」をイメージし、次にそこに至る道のりを「逆算」して「中間達成目標」をいくつも決めるというのが王道としてあるが、なんと、チェスもまったくそれと同じことをするらしい。つまり、現在の立ち位置から選択しうる無数の道のりの組み合わせを考えているわけではなく、あくまで「現時点と到達予定地点」の間に存在しうる限られた数のチョイスだけを分析しているのだ。到達地点をイメージできていない戦いは、確実に負け戦になるのだという。
人生には対戦相手はいないわけだが、もっと過酷な「自分との戦い」だ。なにかを成し遂げようとしたら、それを自分が達成したシーンをイメージして、いまの自分とのギャップを埋めるにはどうしたらいいか、と考えねばならないのだ。自己啓発本は理論の話に終始することが多いが、彼が数々の試合で犯してきたミスの山と、どうやってその失敗から学び決断力を高めてきたかというリアルなストーリーは説得力抜群である。しかも試合中の思考の様子が生中継のように描かれている。タイトルが示すように、これはチェスの本ではない。
斬新なアイディアの生み出し方、生み出される文化的背景の書。 これから読むが、飛ばし読みしただけで、クリエイティブ系プロには必読と思えてくる。ドン・ノーマン、デビッド・ケリー、リチャード・ソール・ワーマンなど、米国のそうそうたる文化・テクノロジー系プロが冒頭に推薦の言葉を寄せていることからも、重要な本であることは間違いないだろう。オライリーから出ているので、パソコンコーナーに埋もれているのはむごすぎる。
クリエイティブな人は先天的な才能でアイディアが湧き出ていると思っている方は多いでしょうが、それはあなたの妄想であって、ずばりテクニックと努力です。そういった意味で、ここまでの3冊は天才と呼ばれる人々の舞台裏が紹介されていて面白い。
美味しんぼが100巻に達したということで、数年ぶりに漫画本を買う。 最近の美味しんぼは、マンガとしてのストーリー性は薄く、ノンフィクション色が強くなったようだ。実在の食に関わるスペシャリスト達を紹介する実話ばかりになってしまっている。山岡の親子の確執、栗田嬢との微妙な駆け引きなど、昔は織り込まれていた魅力的な人間関係が消え去っている。読者が「食」の話だけ読みたいのだと勘違いしたのだろうか?食文化を紹介する社会的意義は大きいと思うが、マンガという媒体でやる必然性が無い。やるならテレビかグラビア誌でやってくれ。
▼以下3冊は、アメリカのアマゾンより買ったパソコン技術書。「本来はソフトに付属しているべきだったマニュアル」というコンセプトの「Missing Manual」シリーズ。アメリカでは定番で、私もいつもお世話になる。Mac OS X Lepardと、CSSのスキルをリフレッシュするために購入。
CSS: The Missing Manual (Missing Manual)
Dreamweaver CS3: The Missing Manual (Missing Manual)
Mac OS X Leopard Edition: The Missing Manual (Missing Manual)

阿部譲之 あべよしゆき。木工芸とプロダクトデザインを経て、NYで石岡瑛子に師事。東京を拠点に活動するデザイナー、ジャーナリスト
2008年7月27日 日曜日 22:23:11
Scott Berkun著「イノベーションの神話」…
フリーランスのデザイナーさんからおススメ書籍として借りた本「イノベーションの神話 (more…)
2008年7月27日 日曜日 22:26:46
「イノベーションの神話」を貸していただき、ありがとうございました。
私のブログに感想を書かせていただきました。