夜明けとともに全貌を現すブリザード
2008年2月23日 土曜日

クリエイティブ業の決まり文句「朝一で確認して頂きます!」に間に合わせるため、朝4時に起き出してしばらく仕事の続きをしていると、窓の外が青白くなってきた。
スチーム・ラジエターがキンキンと小さな金属を鳴らす、冷える朝。暗くて気付かなかったが、一段落して外を覗くと、大雪。
東海岸一帯が吹雪に襲われているらしい。アメリカの輸送網は日本よりも遙かに怠慢なので、最後の機材を宅急便で送るという甘い選択肢は完全にアウトということになる。月曜日のイベント開始までに届かないと大ごとになので、残った機材は空港でチェックインするしかなさそうだ。
昨年秋のNY滞在で買った商品にクレームをつけるために、この日、ある会社のカスタマーサービスに電話をしたところ、迫力ある男の声で「どーもすみません、吹雪で今日は電話に出られませんので」とテープが流れ、有無を言わさず回線が切れた。雪だって電話くらい出られるだろうにと一瞬あきれて笑ってみたものの、後でこの会社の住所を見たらブリザードの、ど真ん中だった。そのオヤジ以外、だれも出勤できないということか。
ジョナサンのシェアメイトであるチャック氏によれば、ニューヨーク市は海に近いから暖かい方で、内陸に数十マイルも行くと雪の量が一気に増えるそうだ。自分が10年前にここに住んでいたときは、遠出をほとんどしなかったので知る術も無いが、極寒のニューヨークが「暖かい」のなら、近隣の州はマグロの冷凍庫なのだろうか?恐るべし。
生粋のニューヨーカーであるチャック氏は、9時過ぎには、全身毛糸にぐるぐる巻で「いってきまーす」と軽やかに出かけて行った。
元・朝日新聞北米販売部長だから、セリフは、原文のままですけど。

阿部譲之 あべよしゆき。木工芸とプロダクトデザインを経て、NYで石岡瑛子に師事。東京を拠点に活動するデザイナー、ジャーナリスト