巨大データのダウンロード、時間との戦い
2008年2月23日 土曜日

クライアントの新製品が、発表イベント直前まで完成しないため、制作するビデオにはCG動画を使った。
プロデューサーの人脈で、静止画CGをサンフランシスコのプロダクトデザイン専門CGアーティスト、アニメーションをバンコク在住の米仏人コンビに発注。アジアと北米のやりとりのため、Skypeでの怒濤のやりとりが24時間続いた。
アニメーションを2週間で完成させるという強行スケジュールだったため、最終的なCGアニメーション部分のレンダリングはテキサスのレンダリングファームに依頼し、80台分のCPUパワーを時間借りする。自前の機材では、少なくとも数日かかる作業を数時間で終えて時間を稼いだ。
…がしかし、最後の難関は、レンダリングの完了した非圧縮TIFFファイル数千枚をテキサスのサーバーからダウンロードすることだった。1枚が3072×768ピクセルの画像を、アニメーション1秒につき30枚ダウンロードすることになる。写真はFTPサーバー上のファイルリスト。
計算機を片手に、ダウンロードの進行状況と残ファイル数から、完了時間を算出。ジョナサンはパソコン画面をじっと見つめて夜を明かす。ダウンロードが済んだアニメーションから、静止画を30fpsのビデオに変換してFinal Cut Proに組み込んでいった。
数年前は、数百メガバイトのダウンロードでもすごいと思ったものだが、いまやGB単位のデータをネットでやりとりできるようになってしまったことを目の当たりにした。これなら日本とアメリカの間で、短いプロモビデオのHDVデータくらいならネット送稿できそうだ。国際宅急便でも中2日くらいかかるわけだから、その分の時間を使って、クライアントからのフィードバックを1サイクル追加できるかもしれない。
高度な技術を利用すると、かならず2つや3つは致命的なトラブルが起きるもので、制作時間だけでなく、命も縮まる。
阿部譲之 あべよしゆき。木工芸とプロダクトデザインを経て、NYで石岡瑛子に師事。東京を拠点に活動するデザイナー、ジャーナリスト