シルク・ドゥ・ソレイユがマンハッタンに降らす大雪 〜 『Wintuk』
2008年12月13日 Saturday

幕が下りた。そして、ワ・ムー劇場の床はこんな様子。
客席を出口に向かって登る途中、人の波に紛れてこっそり1回だけシャッターを押した。
10月末に、舞浜で生まれて初めてのシルク公演を観てから2ヵ月も経っていない。ニューヨーク滞在の最終日に、急に空き時間ができたので、土曜夜の公演をネットでブッキングした。こんなにも早く2作目を観られるとは思っていなかった。SoHoのキューバ料理カフェで知り合いと会ったあと、Nトレインで32丁目に向かった。
マンハッタンのど真ん中、マディソン・スクエアにある劇場で演じられる「ウィントゥック」は、雪の降らなくなった真冬の大都会を舞台に、主人公の少年が雪を探して旅に出る物語。
シルクというとアクロバットで魅せるイメージが強いが、この作品はブロードウェイを意識したのか、はたまた新しい方向性を模索しているのか、演劇性バリバリで「ミュージカルにサーカス要素を盛り込んだ」作品と表するのがしっくりくる。子どもを連れてきたら間違いなく大喜びする内容だが、意外にもインターミッション中のロビーは、黒いコート姿で酒を飲む大人がほとんどだった。
前から6列目でウィントゥックを観ながら、舞浜の専用劇場公演「ZED」のすごさを改めて実感した。マンハッタンで舞台を観る最中に、想いは地球の反対側・京葉線沿線にあるというのも皮肉な話だけれども、地球スケールで人々を楽しませ、各地で劇場を満席にするシルク・ドゥ・ソレイユは半端じゃない。

阿部譲之 あべよしゆき。木工芸とプロダクトデザインを経て、NYで石岡瑛子に師事。東京を拠点に活動するデザイナー、ジャーナリスト