大統領になってホワイトハウスに家財道具搬入
2007年5月21日 月曜日
夫婦揃って大統領経験者になるか!?と、アメリカの大統領選で話題を呼んでいるヒラリー・クリントンの自伝。
この本の最大のおもしろさは、初当選してホワイトハウスに引っ越す場面などの舞台裏を通して「大統領の視点」を味わえること。旦那様のクリントン元大統領も分厚い自伝を出しているが、大統領本人ではなく、「奥様」が見た人間味あるクリントン大統領との毎日を綴ったところに面白さが溢れている。
政治の話にフォーカスした部分が多いが、アメリカの政治に詳しくないと理解に苦しむ。日本人は、前半の大統領になるまでの道のりや、政治以外の章だけ飛ばし読みすれば良い。
クリントン大統領はかなり誠実に世の中のために仕事をしていたのだということが切々と伝わってきたが、この本を読んで一番勉強になったことと言えば、人間、どんな正しいことをしても、必ず反対する人が現れると言うことだろう。正義のために戦っていれば、すべての人が満足するというのは幻想なのだというのが現実だということをよく伝えている。
この本に出てくる、大統領でもコントロール不能な「反対勢力」のストーリーに触れると、あなたが上司と馬が合わないことなど、 およそ大した衝突ではないと気付くことは確実。
【カバーフォト:Amazon Japan】

阿部譲之 あべよしゆき。木工芸とプロダクトデザインを経て、NYで石岡瑛子に師事。東京を拠点に活動するデザイナー、ジャーナリスト