「テクノロジー」カテゴリーのエントリー

わかるようでわからん「コンピュータのデータ転送速度」図解

2009年9月11日 Friday

networkspeed2.gif

次から次へと新しく出てくるネットワークや接続コード規格は、スピードを数字だけで知っているので、他と比べてどのくらい速いのか、わかるようでわからない。

そこでグラフにしてみた。

100メガの光ファイバーインターネットあたりより上は、劇的に倍数で速くなっていく。意外に速いなあと思ったのがギガビット・イーサネットで、理論値上はFirewire 800より速い。

ものすごいのは次世代USB規格「USB 3.0」だ。あまりにもすごすぎて、ぜんぶ納めようとすると、グラフが下のように5倍の幅になってしまう(一番下のグレーがUSB3、その上がeSATA)

networkspeed3.gif

先日のあるセミナーで、CG系会社の社長が、次に期待するテクノロジーはUSB3.0だと言っていたが、グラフにしてみてその意味が少しわかった。5Gbpsだと、巨大なハイビジョン動画ファイルでもあっという間に転送されてしまう。2009年末までには最初のUSB3.0製品が発売されると言われている。

(どれも理論値なので実際のスピードは環境に左右され、上記を下回る点にご注意)

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか? 投票数: 1人, 平均: 3.00点(最高3点)
Loading ... Loading ...

やっとスタートラインに立ったiPhone 〜 電波&バッテリー問題が一夜で消える

2008年9月13日 Saturday

_0011260.jpg

《2008年10月12日追記:この記事で紹介している外付け電池「Eneloop Mobile Booster」は、iPhoneを使用しながらだと電流供給が足りず充電が途中で止まる。だましだまし様子を見ている状態》

iPhoneの日本での発売から2ヵ月。前述したすぐ死ぬバッテリーと最悪の電波状態だが、アップルからリリースされたソフトウェアアップデートでまとめて瞬時に解決し、やっとiPhoneの魅力を享受できる環境が整った。

まず、電話機としての存在意義が問われる電波状態の悪さだが、iPhone OS 2.1ソフトウェアアップデートで完全に解決。昨日までは自宅の窓際でも5本中2〜3本電波が立てば良い方だったが、いまでは4〜5本に。ほとんど魔法としか思えない。ソフトウェア1つで、製品の性能が劇的に変わるというエンジニアリングには、毎度驚かされる。

アップデートによりバッテリーの持ちも良くなったらしいのでありがたいが、それとは別に外付け電池も1ヵ月ほど前に導入して、バッテリーの問題もダブル解決。性能の良いリチウムイオン充電池として売れまくっている三洋電機製「eneloop」シリーズのeneloop mobile boosterを導入。持ち運びやすい小型モデルを買ったが、これでも2500mAhの容量でiPhoneを2度フル充電できるみたいだ。パソコンのUSBポートにつなぐかわりに、この充電池のUSBポートにiPhoneをつないで充電。iPhone専用の外付け充電池も発売されているが、別に専用モデルを買う必要は無い。いや、むしろ専用バッテリーはどれもダサいデザインでとても毎日持ち歩きにはならない。eneloopがお薦めです。

自身もiPhoneユーザーであるというソフトバンクの孫正義さんは、企業向けのiPhone説明会で「iPhoneを使い始めて最初の2週間くらいは、いままでのケータイと使い勝手が違うため頭にくるかもしれない」と語ったらしいが、激怒していた日本のiPhoneユーザーも平静を取り戻し、私のようにそろそろ生活に自然に溶け込んできたころではないだろうか。

最初から問題をすべて解決してから発売しろという考えもあるとは思うが、きちんとユーザーの声に耳を傾けたアップルには拍手を送りたい。

iPhoneを買うかどうか迷っていたみなさま、買い時は今かもしれませんぜ。

_0011259.jpg

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか? 投票数: 1人, 平均: 1.00点(最高3点)
Loading ... Loading ...

iPhoneの「使いやすさ」以前。お粗末な電波状態と、交換「不能」式バッテリー

2008年7月19日 Saturday

_0010728.jpg

インターフェースや使いやすさは素晴らしいiPhoneだが、1週間ほど使った今、デザイン以前の2つの超基本的なことで、毎日の生活に余計な心配事が増えてしまった。

iPhoneのデザインのメリットを考え、細かい不満は工夫して解決するか眼をつぶった。しかしながら、下記の2点は携帯として最低限満たしているべきことなので、一筆書かせていただく。

■ 電波が弱い

日本の携帯では気にもしていなかったことだが、iPhoneは電波の状態がかなり悪い。

ボディの裏が全面プラスティックになって電波状態は良いだろうと期待していたが、auでは全く問題がなかったコンクリート壁の自宅では、切れる寸前の電波1〜2本(iPhoneは5段階表示)。 中野の繁華街の大通りを歩いているときには、なんと、話している途中で通話が突然切れた。地下の飲み屋ならともかく、普段の生活で電波状態をこんなに気にしたことはかつて無い。

ネットで調べたところ、アメリカでもiPhone 3Gの弱い電波状態に不満を訴える人が多いようだ。他の携帯でバリバリ電波が入るマンハッタンでもiPhoneだと数段弱いシグナルしか受信できないのだそうである。東京でも、屋外を歩いているときは問題無いのだが、レストランや店に一歩入るとあっという間に弱くなる。いきつけのレストラン(1階建て)は圏外になってしまった。Softbankの電波状態も関係あると思うが、iPhoneはSoftbankでしか使えないわけだからキャリアは選択の余地無し。アメリカの場合は3Gをオフにして、遅いが安定した2Gモードでも使えるが、試してみたところ日本では3Gを切ると電波が全く入らない。

固定電話を持っていないため、仕事の打ち合わせや電話インタビューはすべて携帯を使っている。この1週間で「声が聞き取れない」と言われることが多々あり、気を遣って取材している相手の場合にヒヤヒヤである。

ちなみに2年の縛りのある契約を途中解除した場合、「実質」3.5万円のiPhone 16GBは、突如、8万円のお支払いに化ける。iPhoneはネット端末として使って、メインの携帯は普通の機種という手もあるが、そもそもiPodと携帯を1台にまとめてしまえることに魅力を感じていたので、2台持ち歩くのは抵抗がある。毎月のチャージは2台にしてもあまり変わりないが…。

iPhoneのファームウェア・アップデートで、ある程度改善されることを期待したい。使い勝手がどうのこうのはともかく、まさか最新機種で電波の状態という根本的な問題があるとは想像すらしていなかった。

■ バッテリー交換ができない

こんなにバッテリー残量でドキドキさせてくれる機械は久しぶりだ。

ネットに常時高速接続しているので、バッテリーの減りが早いのは仕方ないことだと納得している。だが、バッテリーが交換できない構造になっているのはどういうことだ?

ここ1週間の経験では、電話・ネットとそこそこ使っただけで、毎日夕方までにバッテリーがゼロになってしまう勢いなので、かならず途中で充電。遠出をするときには、ネットへの接続は控えないといけないだろうと思う。

いつでもどこでも必要なときにネットに繋がるのが売りのiPhoneだと言うのに、バッテリーにビクビクして使用を控えるなんて、せつないものがある。スマートフォンの中ではバッテリーの持ちは悪い方ではないらしいから問題はバッテリーの持ちではない。交換できるようになってさえいれば、予備のバッテリーを持ち歩けば良いだけの話だったはずだ。なぜプロダクトデザイナーは交換式を選ばなかったのか?見た目を優先したってわけか?もしもそうならば、アップルがやりそうな決断だ。

すでに各社が発売を予定している醜い外付けバッテリーの世話になるしかあるまい。

=====

▼解決策として参考になった記事(iPhoneAtlas・英文)

iPhone 3Gの電波状態に不満続出

iPhone 3Gのバッテリーがすぐお亡くなりに?こちらをお試しあれ

▼追記(2008年8月16日)

米・Business Week誌オンライン版が、アップルがiPhoneの電波状態をリコールではなく、ソフトウェアアップデートで改善する見込みと報道

=====

追記:2008年9月13日

iPhone OS 2.1アップデートで電波とバッテリーの問題が解決。くわしくはこちらのエントリーを参照のこと

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

マニア専用だったiPodは、行列のできる電話機に姿を変えた

2008年7月13日 Sunday

_00107181.jpg

iPhoneの原型である最初のiPodが発売されたのは、NYに飛行機が突っ込んだ2ヵ月後、2001年11月のこと。

当時のiPodは、テクノロジー中毒のMacユーザーだけが飛びついたマニアックな商品だった。予約をしてまで発売当日に手に入れた私は、大学で工業デザインを勉強したものだから、角がとがって痛い、傷つきやすいケースには感心しなかったが、2つのことにひどく興奮していた。

ひとつめは、ハイテクの固まりにも関わらず、複雑なテクノロジーの顔は完全に影を潜めていたこと。ハイテク機器のインターフェースは、往々にしてありとあらゆる設定を変更できる複雑さが美徳で、量が勝負の時代。iPodは「音楽を楽しむ」という目的を邪魔する余分な機能は、容赦なく排除するという、ごくあたりまえの原点に戻るプレーヤーだった。

いまとなっては当たり前になったことだが、アップデートをインストールすると新しい機能が使えるようになるという仕組みも新しかった。機械を買い換えなくてもソフトだけで新しいプロダクトに生まれ変わるという「物理的な物を売る」プロダクトデザインの根本がひっくり返った。

あれから7年。

iPodは携帯電話に姿を変え、世界中で長い行列ができる商品になった今も、あの2つの個性に変わりはない。

思いつく機能をドンドン追加する「足し算のデザイン」で磨き上げたのが、日本の携帯電話ならば、iPhoneは完全に逆転の発想。どの機能を省くかという「引き算」の思想だ。iPhoneは沢山のことが出来ることが売りではあるが、その機能一つひとつは徹底的に考え抜かれた非常にシンプルなものだ。カメラひとつをとっても、シャッターボタンしか出てこない。

日本の機能大盛りの携帯電話に慣れているユーザーには間違いなく違和感があるだろう。例えて言うなら、iPhoneはお年寄り向けのシンプル携帯のようなコンセプト。極めて使いやすいが、機能は限られている。多機能を期待して買うと痛い眼にあうので注意が必要だ。

…と、ここまで書くのだから、この男はiPhoneに違和感など、みじんも感じていないのだろうと思う方も多かろう。

もちろん満足である。

でも、実は、長年のジャパニーズ携帯のユーザーとしては、かなりつらい携帯だと感じる部分も沢山あることがわかった。アメリカ帰りで、しかも自称ハイテク&マックおたくの自分でさえ違和感があるのだ。あの行列に並んだ日本のみなさんは今夜あたり何を思っているのだろうか。もしかするとiPhoneはすべての日本人向けではないのではないか?

24時間使ってみた最初の印象は、明らかに外国の文化感でデザインされた携帯電話であるということだ。それと同時に、逆に、世界の市場で鎖国状態を貫いてきた日本の携帯テクノロジーのすごさも見えてきた。

数回に渡って書いてみるつもりだ。

_0010720.jpg

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

巨大データのダウンロード、時間との戦い

2008年2月23日 Saturday

_0013658.jpg

クライアントの新製品が、発表イベント直前まで完成しないため、制作するビデオにはCG動画を使った。

プロデューサーの人脈で、静止画CGをサンフランシスコのプロダクトデザイン専門CGアーティスト、アニメーションをバンコク在住の米仏人コンビに発注。アジアと北米のやりとりのため、Skypeでの怒濤のやりとりが24時間続いた。

アニメーションを2週間で完成させるという強行スケジュールだったため、最終的なCGアニメーション部分のレンダリングはテキサスのレンダリングファームに依頼し、80台分のCPUパワーを時間借りする。自前の機材では、少なくとも数日かかる作業を数時間で終えて時間を稼いだ。

…がしかし、最後の難関は、レンダリングの完了した非圧縮TIFFファイル数千枚をテキサスのサーバーからダウンロードすることだった。1枚が3072×768ピクセルの画像を、アニメーション1秒につき30枚ダウンロードすることになる。写真はFTPサーバー上のファイルリスト。

計算機を片手に、ダウンロードの進行状況と残ファイル数から、完了時間を算出。ジョナサンはパソコン画面をじっと見つめて夜を明かす。ダウンロードが済んだアニメーションから、静止画を30fpsのビデオに変換してFinal Cut Proに組み込んでいった。

数年前は、数百メガバイトのダウンロードでもすごいと思ったものだが、いまやGB単位のデータをネットでやりとりできるようになってしまったことを目の当たりにした。これなら日本とアメリカの間で、短いプロモビデオのHDVデータくらいならネット送稿できそうだ。国際宅急便でも中2日くらいかかるわけだから、その分の時間を使って、クライアントからのフィードバックを1サイクル追加できるかもしれない。

高度な技術を利用すると、かならず2つや3つは致命的なトラブルが起きるもので、制作時間だけでなく、命も縮まる。

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

プロの道具「カメラ」

2008年1月26日 Saturday

dsc_5373.jpg

人様がどんな道具を使っているのかは、いつも私自身が気になる人なので、こちらの手の内を明かしておきたい。これが、現在常用している写真とビデオのカメラ。

デザイン仕事の一環として撮影をすることが多いが、映像の専門家でなくても、撮影技術をカバーしてくれる高性能の機材が簡単に手に入るのはありがたいことだ。フィルム時代では私に手は出せなかった分野だろう。

以下は、デザイン系のプロが自分で撮影も行ってしまう場合のチョイスとして参考にして頂きたい。デジタル機材の場合は、撮った後の処理が重要なので、いずれ使っているソフトもご紹介する。照明機材もまたそのうち。

リコー・GR Digital コンパクトデジタルカメラ【中央】

この中で使う頻度が最も高く、普段持ち歩いているスナップショット用カメラ。街で見かけたデザインアイディアのメモから、最近600枚を撮り貯めている足下の写真まで、なんでも撮る。デザイナーをはじめとするクリエイティブ系のプロに飛ぶように売れたデジカメの初代機で、最近GR Digital IIが発売されたが、まだ現役である。このブログの写真のほとんどこれで撮っている。12月のNYの結婚式でも、日本と関わりのあるクリエイティブ系アメリカ人が全員これを持っていたことから、人気度が知れる。ソニーデザインセンターの旦那までこれでしたからね。アメリカでは売っていないらしいのだ。28mm広角レンズでズーム無しなのに、同じような一般向けの2倍の値段。デジカメの機能がどれも似たり寄ったりになったいま、もっとも大切なのは「撮りたくなる」カメラだと思う。最高のカメラを持っていたってシャッターを押してなんぼのものですからね。GR Digitalは、撮るモチベーションの上がるカメラ。撮った写真が全部綺麗に見えるのは、性能の良いレンズのせいか、気のせいか。NYの美大時代にコダックが初めて出した一般向けの30メガピクセルのデジカメから始まり、かなりの台数のコンパクトデジカメを使ってきたが、GRは一番長く使っているカメラの記録を更新し続けている。

ニコン・D200 一眼レフデジタルカメラ【右】

ロケ・スタジオともに、スチル写真はすべてこのカメラで撮っている。 縦位置グリップを兼ねるWiFiユニットをボディー下に追加装着しており、ネットにつながっているFTPサーバーへなら、世界中どこからでもカメラから直接アップロードが可能。最近のスポーツイベントでは、カメラマンがシャッターを押した端から編集部の画面に写真が表示されるという驚異的なワークフローになっているらしい。ワイヤレスでパソコンの画面に次々に写真が現れるのを眼にすると、このWiFi仕様のカメラには自称ハイテクマニアでも想像以上に感動する。先日、評価の高いAF-S 18-200mm VRレンズを中古で購入して、その1本でほぼなんでも撮ってしまっているが、想像以上に手ぶれ補正の性能が良くて驚いた。光量が足りないところでも、ISO感度を2段くらい稼いで高感度ノイズを減らせる。1年以上も品薄になっていたのも納得だ。D300が発売されたが、買い換える必然性がないので、D200はもうしばらく現役だ。Adobe RGB・RAW・ISO400以下で撮っていれば、まだまだいける。

キャノン・XH-A1 ハイビジョンビデオカメラ【奥】

_dsc4566.jpg

キャノンの業務用HDVビデオカメラ。一番安いモデルだが、一式50万円。その前まではソニーの小型機を使っていたが、私のようにビデオ専門家ではない場合はデザインや使いやすさが重要なので、ソニーの小型業務用機はいまいち質感がダサイことに気づき、キャノンに乗り換える。ただし、本体内蔵のステレオマイクは、操作音を拾ってしまうので、ソニー製ショットガンマイクを中古で1本追加。ちなみに、アマチュア向けのビデオは無条件で軽い方が良いが、仕事で撮る場合はある程度の重さと大きさがないと映像が安定しないので、このサイズは大きすぎず小さすぎずちょうど良い。100万円する親分のXL-H1と中身はほとんど同じなので、映像も抜群。それにしてもビデオ制作会社でもないのに、ハイビジョンで撮ってそのままマックで編集をしてしまえるというのはすごい時代になったものだ。フィルムと似たような1080/24pでも撮ることができるが、フレームレートが低いと、カメラを動かすスピードのコントロールが難しい。私の場合は、このカメラ独自の30F(プログレッシブ・30 fps)を頻繁に使っている。最新のFinal Cut Proは30Fに対応したし、ウェブ用に撮る場合は、最初からプログレッシブで撮るに限る。その道のプロも撮影内容によっては使っているというカメラなので、性能はデザイナーにはもったいないくらいだ。液晶モニターは小さめだが不便を感じたことはなく、かまえたときにちょうど眼の高さにくるのが使いやすくて良い。業務用ビデオカメラは民生用と何が違うかというと、てんですべてが違う。絶対に失敗できない撮影をするための機能が満載。ニコン・ソニーと、キャノンではズームリングの回転方向が逆なのだが、このカメラでは方向を反転させられるので問題無し。そのおかげでニコンのデジタル一眼と、キャノンのビデオを混ぜて撮影しても頭が混乱しない。

▼ 富士フイルム・インスタックスミニ10(チェキポラロイドカメラ【左】

お客さま写真撮影用 のパーティーカメラ。フィルムは50枚パックでまとめ買いして、1枚50円。デジタル時代にポラロイドカメラを使うという「物質感」がたまらない。 ピントが2段階、明るさも3段階にしか切り替えられないという超原始的な仕様は、頭を使わないで撮るので新鮮。失敗写真もアートぽくて味があってよい。

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

今週のワタシの頭の中

2008年1月26日 Saturday

_0012940.jpg

「天才」の育て方 (講談社現代新書)

バイオリニスト・五嶋みどりさんの母上の著作。五嶋みどりさんがどういう環境に育ったのかも興味深いのだが、ぱらぱらとページをめくっただけでも歯にものを着せぬ率直な意見が眼に飛び込んできて、7秒で購入決定。すごいひとはこれくらいキチガイでいいんです。

決定力を鍛える 〜 チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣

この本は最近読んだ中ではだんとつ話の密度がすごい。IBMのスーパーコンピュータ「ディープブルー」と対決したことで有名なチェス元世界チャンプ、ガルリ・カスパロフによる「決断力」を解き明かす書。将棋やチェスの天才的名人の思考は、神がかった直感的な決断の連続で成り立っているのだと思っていたが、私の大間違いだった。最近の自己啓発本で「最終到達地点」をイメージし、次にそこに至る道のりを「逆算」して「中間達成目標」をいくつも決めるというのが王道としてあるが、なんと、チェスもまったくそれと同じことをするらしい。つまり、現在の立ち位置から選択しうる無数の道のりの組み合わせを考えているわけではなく、あくまで「現時点と到達予定地点」の間に存在しうる限られた数のチョイスだけを分析しているのだ。到達地点をイメージできていない戦いは、確実に負け戦になるのだという。

人生には対戦相手はいないわけだが、もっと過酷な「自分との戦い」だ。なにかを成し遂げようとしたら、それを自分が達成したシーンをイメージして、いまの自分とのギャップを埋めるにはどうしたらいいか、と考えねばならないのだ。自己啓発本は理論の話に終始することが多いが、彼が数々の試合で犯してきたミスの山と、どうやってその失敗から学び決断力を高めてきたかというリアルなストーリーは説得力抜群である。しかも試合中の思考の様子が生中継のように描かれている。タイトルが示すように、これはチェスの本ではない。

イノベーションの神話

斬新なアイディアの生み出し方、生み出される文化的背景の書。 これから読むが、飛ばし読みしただけで、クリエイティブ系プロには必読と思えてくる。ドン・ノーマン、デビッド・ケリー、リチャード・ソール・ワーマンなど、米国のそうそうたる文化・テクノロジー系プロが冒頭に推薦の言葉を寄せていることからも、重要な本であることは間違いないだろう。オライリーから出ているので、パソコンコーナーに埋もれているのはむごすぎる。

クリエイティブな人は先天的な才能でアイディアが湧き出ていると思っている方は多いでしょうが、それはあなたの妄想であって、ずばりテクニックと努力です。そういった意味で、ここまでの3冊は天才と呼ばれる人々の舞台裏が紹介されていて面白い。

美味しんぼ 100 (ビッグコミックス)

美味しんぼが100巻に達したということで、数年ぶりに漫画本を買う。 最近の美味しんぼは、マンガとしてのストーリー性は薄く、ノンフィクション色が強くなったようだ。実在の食に関わるスペシャリスト達を紹介する実話ばかりになってしまっている。山岡の親子の確執、栗田嬢との微妙な駆け引きなど、昔は織り込まれていた魅力的な人間関係が消え去っている。読者が「食」の話だけ読みたいのだと勘違いしたのだろうか?食文化を紹介する社会的意義は大きいと思うが、マンガという媒体でやる必然性が無い。やるならテレビかグラビア誌でやってくれ。

▼以下3冊は、アメリカのアマゾンより買ったパソコン技術書。「本来はソフトに付属しているべきだったマニュアル」というコンセプトの「Missing Manual」シリーズ。アメリカでは定番で、私もいつもお世話になる。Mac OS X Lepardと、CSSのスキルをリフレッシュするために購入。

CSS: The Missing Manual (Missing Manual)

Dreamweaver CS3: The Missing Manual (Missing Manual)

Mac OS X Leopard Edition: The Missing Manual (Missing Manual)

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

この家を通過した人々の記憶

2007年11月14日 Wednesday

_dsc4563.jpg

自宅兼仕事場にお客さまが来ると、ポラを1枚撮らせてもらっていて、81枚になった。

パーティをする度に一気に数が増えるのだが、 悪友から家族・モトカノ・仕事の同僚までごちゃまぜで、日本人にロシア人にインド人。その脈絡のなさがたまらない。中には、名前も知らぬ友の友の友というのもいたり。あるじが酔っぱらいすぎのときは、手近な可愛いお嬢さんに撮って回るよう指令を出す。

留学時代に、ファインアート専攻の学生の創作用スタジオの前を通りかかって、利用者の顔がボードに貼ってあって、おもしろいなあと思った。写っているのは美大生達なので、ポーズやアングルも1枚1枚がクリエイティブ。アート専攻のやつらやるじゃねえか、と工業デザイン専攻の若者(わたし)は感心した。帰国してからチェキを買って遊んでいたのだが、写真を並べていてその時のことを思い出したのである。

最近は引っ越す度にゼロ枚から撮り直しているので、アート風に命名するなら「この家を通過した人々の記憶」とでもいうところだろうか。今夜のような寒々とした秋の夜長には、バーボン片手にこの部屋が人で溢れかえった一夜のことを思い出し、怪しげな微笑みを浮かべてみるというのも悪くない。

ポラというメディア自体が、アートっぽさプンプンだ。荒い粒子、強すぎのフラッシュ、ピンぼけしまくりの超クロースアップ。これに比べれば高性能デジカメは「完璧写真」製造マシンだ。1枚しかないという不便さも、考え方を変えると世界にたった1枚という希少価値を生み出している。ポラは、写真という「情報」ではなくて、「物」として扱う方が正解かもしれない。チェキで撮っているので、シャッター音1つで50 円。デジタルがタダ同然で撮れるわけだから、ポラは完全に高級路線だ。

元グッチのデザイナー、トム・フォードによれば、最新の流行にドップリつかっていれば、次に何が欲しくなるか、何が流行るかが自然にわかるものなのだという。デザイン屋の多くが格好いい生活を送っているように見えるのはそういう意図もある。要するに仕事の一環なのである。前述のハイテクを知り尽くしたMIT男(上の写真にもいます)が、最新鋭のインク ジェットではなくプリントゴッコを愛するくらいなのだから、テクノロジーの行く末は「便利さ」以外の方向にあるに違いない。

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

プリントゴッコに想う激しい時代変化

2007年11月9日 Friday

_dsc4541.jpg

前述のMITカップルの結婚式に持参するプリントゴッコのインク、全30色を大人買い。なんと、インクの半分は「日本の伝統色」シリーズ。いまのプリントゴッコは子供の遊び道具ではなく、渋い大人用の商品ということか?「藤」や「牡丹」インクを欲しがるマセガキがいたら、それはそれで感動的だと想像してひとり笑った。

「ゴッコ」という安っぽい名前で完全に損しているが、なにせ初代機が発売されたのは30年前の1977年。パソコンはおろかコピー機すら一般には普及していなかったわけで、当時とは時代背景がひっくり返ってしまっている。「全日本人向け+年賀状製造機」というマーケティングは明らかに姿を変えたということだろう。

これからは、大人の遊びや、芸術家が簡単に使えるシルク印刷として、アート路線を狙うのが正解ではないだろうか。版画の一種として美大でも人気のある本格的なシルク印刷(シルクスクリーン)は、溶剤処理が必要なので容易には手を出せないから。

メールアドレスしか知らない知人が増える時代では、そもそも年賀状という風習自体がプリントゴッコ的な末路をたどるのかもしれない。…ふと考えると、自分が自宅住所を知っている友達は1/4程度。残りは、メールか携帯電話かSkypeだけだと気付く。

プリントゴッコも年賀状も、大衆路線ではなくて、高級カルチャー路線が良い。

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...

マイクロソフト「Surface」ディレクターとの朝食流れる

2007年11月8日 Thursday

ms_surface.jpg

ニューヨークのジョナサン・ブリルの紹介で、突然、米国マイクロソフト本社の「Surface」担当デザインディレクターと東京で朝食をすることになったのだが、先方が超多忙なようで、あっさり流れた。 詳しいことは書けないが、ジョナサンによるとマイクロソフトは「新しいOS」待遇で、Surfaceの開発に異例の力を入れているようで、優秀な人材を懸命に集めているらしい。

ジョナサンは美大時代の同級生で、デザインプロデューサーだが、アメリカの巨大企業にとんでもないコネクションを持っていて度肝を抜かれる…。

「Surface」は例えて言うなら、iPod Touchの巨大版。30インチのマルチタッチ・スクリーンを内蔵した業務用のテーブル型製品が、近く発売されることになっている。映画「マイノリティ・リポート」がそのまま現実になってしまったようなテクノロジーだ。

ここしばらくiPod Touchを使っている自分の感想からすれば、一般大衆向けコンピュータの未来は「指で画面を操る」マシンにあると確信している。文字でコミュニケーションをしている現代では、キーボードという物理的な機械がついてないマルチタッチデバイスは完璧でないが、今後音声やビデオのコミュニケーションが進化すれば、問題では無くなるのではないだろうか。

結果的にミーティングは流れたが、シアトル本社から東京への出張の多忙なスケジュールの中で、日本の1デザイナーに会う時間を作ろうとしてくれたのは嬉しいことだ。

【写真:Surface公式サイト・英語版

 ふつうおもしろい超おもしろい! おもしろかったですか?
Loading ... Loading ...