
人様がどんな道具を使っているのかは、いつも私自身が気になる人なので、こちらの手の内を明かしておきたい。これが、現在常用している写真とビデオのカメラ。
デザイン仕事の一環として撮影をすることが多いが、映像の専門家でなくても、撮影技術をカバーしてくれる高性能の機材が簡単に手に入るのはありがたいことだ。フィルム時代では私に手は出せなかった分野だろう。
以下は、デザイン系のプロが自分で撮影も行ってしまう場合のチョイスとして参考にして頂きたい。デジタル機材の場合は、撮った後の処理が重要なので、いずれ使っているソフトもご紹介する。照明機材もまたそのうち。
▼ リコー・GR Digital コンパクトデジタルカメラ【中央】
この中で使う頻度が最も高く、普段持ち歩いているスナップショット用カメラ。街で見かけたデザインアイディアのメモから、最近600枚を撮り貯めている足下の写真まで、なんでも撮る。デザイナーをはじめとするクリエイティブ系のプロに飛ぶように売れたデジカメの初代機で、最近GR Digital IIが発売されたが、まだ現役である。このブログの写真のほとんどこれで撮っている。12月のNYの結婚式でも、日本と関わりのあるクリエイティブ系アメリカ人が全員これを持っていたことから、人気度が知れる。ソニーデザインセンターの旦那までこれでしたからね。アメリカでは売っていないらしいのだ。28mm広角レンズでズーム無しなのに、同じような一般向けの2倍の値段。デジカメの機能がどれも似たり寄ったりになったいま、もっとも大切なのは「撮りたくなる」カメラだと思う。最高のカメラを持っていたってシャッターを押してなんぼのものですからね。GR Digitalは、撮るモチベーションの上がるカメラ。撮った写真が全部綺麗に見えるのは、性能の良いレンズのせいか、気のせいか。NYの美大時代にコダックが初めて出した一般向けの30メガピクセルのデジカメから始まり、かなりの台数のコンパクトデジカメを使ってきたが、GRは一番長く使っているカメラの記録を更新し続けている。
▼ ニコン・D200 一眼レフデジタルカメラ【右】
ロケ・スタジオともに、スチル写真はすべてこのカメラで撮っている。 縦位置グリップを兼ねるWiFiユニットをボディー下に追加装着しており、ネットにつながっているFTPサーバーへなら、世界中どこからでもカメラから直接アップロードが可能。最近のスポーツイベントでは、カメラマンがシャッターを押した端から編集部の画面に写真が表示されるという驚異的なワークフローになっているらしい。ワイヤレスでパソコンの画面に次々に写真が現れるのを眼にすると、このWiFi仕様のカメラには自称ハイテクマニアでも想像以上に感動する。先日、評価の高いAF-S 18-200mm VRレンズを中古で購入して、その1本でほぼなんでも撮ってしまっているが、想像以上に手ぶれ補正の性能が良くて驚いた。光量が足りないところでも、ISO感度を2段くらい稼いで高感度ノイズを減らせる。1年以上も品薄になっていたのも納得だ。D300が発売されたが、買い換える必然性がないので、D200はもうしばらく現役だ。Adobe RGB・RAW・ISO400以下で撮っていれば、まだまだいける。
▼ キャノン・XH-A1 ハイビジョンビデオカメラ【奥】

キャノンの業務用HDVビデオカメラ。一番安いモデルだが、一式50万円。その前まではソニーの小型機を使っていたが、私のようにビデオ専門家ではない場合はデザインや使いやすさが重要なので、ソニーの小型業務用機はいまいち質感がダサイことに気づき、キャノンに乗り換える。ただし、本体内蔵のステレオマイクは、操作音を拾ってしまうので、ソニー製ショットガンマイクを中古で1本追加。ちなみに、アマチュア向けのビデオは無条件で軽い方が良いが、仕事で撮る場合はある程度の重さと大きさがないと映像が安定しないので、このサイズは大きすぎず小さすぎずちょうど良い。100万円する親分のXL-H1と中身はほとんど同じなので、映像も抜群。それにしてもビデオ制作会社でもないのに、ハイビジョンで撮ってそのままマックで編集をしてしまえるというのはすごい時代になったものだ。フィルムと似たような1080/24pでも撮ることができるが、フレームレートが低いと、カメラを動かすスピードのコントロールが難しい。私の場合は、このカメラ独自の30F(プログレッシブ・30 fps)を頻繁に使っている。最新のFinal Cut Proは30Fに対応したし、ウェブ用に撮る場合は、最初からプログレッシブで撮るに限る。その道のプロも撮影内容によっては使っているというカメラなので、性能はデザイナーにはもったいないくらいだ。液晶モニターは小さめだが不便を感じたことはなく、かまえたときにちょうど眼の高さにくるのが使いやすくて良い。業務用ビデオカメラは民生用と何が違うかというと、てんですべてが違う。絶対に失敗できない撮影をするための機能が満載。ニコン・ソニーと、キャノンではズームリングの回転方向が逆なのだが、このカメラでは方向を反転させられるので問題無し。そのおかげでニコンのデジタル一眼と、キャノンのビデオを混ぜて撮影しても頭が混乱しない。
▼ 富士フイルム・インスタックスミニ10(チェキ)ポラロイドカメラ【左】
お客さま写真撮影用 のパーティーカメラ。フィルムは50枚パックでまとめ買いして、1枚50円。デジタル時代にポラロイドカメラを使うという「物質感」がたまらない。 ピントが2段階、明るさも3段階にしか切り替えられないという超原始的な仕様は、頭を使わないで撮るので新鮮。失敗写真もアートぽくて味があってよい。