アーカイブ 2008年2月

3時間で雪国からエアコンの国へ

2008年2月24日 日曜日

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バンコクに着いたときと似た、少しかびているのではないかと一瞬感じる南国独特の湿っぽいエアコンの空気。オーランド国際空港に深夜到着。すぐに黒いコートを脱いだ。

大雪のニューヨークから一転して、半袖短パンの世界へ。飛行機に3時間乗っても、まだ余裕で国内というのもすごいが、ここはまだアメリカの最南端ではなくマイアミはもっと南だ。東京から沖縄が2時間半のフライトだから似たようなイメージだろうが、アメリカの大きさがわかるというもの。

もう夜11:30を過ぎている。プロデューサーは、レンタカーのカウンターの行列に捕まっているのだろうか、なかなか戻って来ない。それともまた見知らぬお姉さんと話し込んで、私のことを完全に忘れているのだろうか。

飛行機から降りた人々はもうみんなどこかに消えていった。残ったのは、ディズニーワールドへのツアー客をあてもなく待つ制服のおばさんと、そして私くらい。

格安飛行機で、一路フロリダへ

2008年2月24日 日曜日

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格安航空会社「AirTran」に乗り、夜7時の便でフロリダへ。

格安エアラインは世界各国で人気のようだけれども、日本人の私には物珍しい存在。3時間程度の国内線だったこともあろうが、サービスは大手とほとんど変わらなくて驚いた。デルタ航空では片道250ドルのところが、AirTranだと79ドル。アメリカでは、旅行代理店は国内線の予約の仲介料を受け取ってはいけないという法律に変わったのだそうで、最近はエアラインの直営ウェブサイトで予約をするのが王道だとか。

日本に格安航空会社がないのは、やはり法律のせいなのだろうか?2時間も乗れば国内のどこへでも行けてしまう小さな島国だから、飛行機必須のアメリカとは少々事情が違うかもしれないが。

ラガーディア空港のゲートで、巨大ビールジョッキ通称「メガマグ」を2つオーダーし、プロデューサーとしばし完成間近の歓喜に浸る。

酔っぱらいと寝不足で機中は爆睡。恐るべしメガマグ。

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[PHOTO(横長):ジョナサン・ブリル]

夜明けとともに全貌を現すブリザード

2008年2月23日 土曜日

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クリエイティブ業の決まり文句「朝一で確認して頂きます!」に間に合わせるため、朝4時に起き出してしばらく仕事の続きをしていると、窓の外が青白くなってきた。

スチーム・ラジエターがキンキンと小さな金属を鳴らす、冷える朝。暗くて気付かなかったが、一段落して外を覗くと、大雪。

東海岸一帯が吹雪に襲われているらしい。アメリカの輸送網は日本よりも遙かに怠慢なので、最後の機材を宅急便で送るという甘い選択肢は完全にアウトということになる。月曜日のイベント開始までに届かないと大ごとになので、残った機材は空港でチェックインするしかなさそうだ。

昨年秋のNY滞在で買った商品にクレームをつけるために、この日、ある会社のカスタマーサービスに電話をしたところ、迫力ある男の声で「どーもすみません、吹雪で今日は電話に出られませんので」とテープが流れ、有無を言わさず回線が切れた。雪だって電話くらい出られるだろうにと一瞬あきれて笑ってみたものの、後でこの会社の住所を見たらブリザードの、ど真ん中だった。そのオヤジ以外、だれも出勤できないということか。

ジョナサンのシェアメイトであるチャック氏によれば、ニューヨーク市は海に近いから暖かい方で、内陸に数十マイルも行くと雪の量が一気に増えるそうだ。自分が10年前にここに住んでいたときは、遠出をほとんどしなかったので知る術も無いが、極寒のニューヨークが「暖かい」のなら、近隣の州はマグロの冷凍庫なのだろうか?恐るべし。

生粋のニューヨーカーであるチャック氏は、9時過ぎには、全身毛糸にぐるぐる巻で「いってきまーす」と軽やかに出かけて行った。

元・朝日新聞北米販売部長だから、セリフは、原文のままですけど。

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巨大データのダウンロード、時間との戦い

2008年2月23日 土曜日

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クライアントの新製品が、発表イベント直前まで完成しないため、制作するビデオにはCG動画を使った。

プロデューサーの人脈で、静止画CGをサンフランシスコのプロダクトデザイン専門CGアーティスト、アニメーションをバンコク在住の米仏人コンビに発注。アジアと北米のやりとりのため、Skypeでの怒濤のやりとりが24時間続いた。

アニメーションを2週間で完成させるという強行スケジュールだったため、最終的なCGアニメーション部分のレンダリングはテキサスのレンダリングファームに依頼し、80台分のCPUパワーを時間借りする。自前の機材では、少なくとも数日かかる作業を数時間で終えて時間を稼いだ。

…がしかし、最後の難関は、レンダリングの完了した非圧縮TIFFファイル数千枚をテキサスのサーバーからダウンロードすることだった。1枚が3072×768ピクセルの画像を、アニメーション1秒につき30枚ダウンロードすることになる。写真はFTPサーバー上のファイルリスト。

計算機を片手に、ダウンロードの進行状況と残ファイル数から、完了時間を算出。ジョナサンはパソコン画面をじっと見つめて夜を明かす。ダウンロードが済んだアニメーションから、静止画を30fpsのビデオに変換してFinal Cut Proに組み込んでいった。

数年前は、数百メガバイトのダウンロードでもすごいと思ったものだが、いまやGB単位のデータをネットでやりとりできるようになってしまったことを目の当たりにした。これなら日本とアメリカの間で、短いプロモビデオのHDVデータくらいならネット送稿できそうだ。国際宅急便でも中2日くらいかかるわけだから、その分の時間を使って、クライアントからのフィードバックを1サイクル追加できるかもしれない。

高度な技術を利用すると、かならず2つや3つは致命的なトラブルが起きるもので、制作時間だけでなく、命も縮まる。

カバブ屋のプレイボーイ店主が語る女性論

2008年2月23日 土曜日

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近所のカバブ屋で、サクッとランチを済ませようとしたら、店主の人生哲学に捕まった。

若き日にパリでガールフレンドを見つけるために通った社交ダンス教室、そこで出会った日本の外交官の娘と恋愛話からはじまり、アメリカで出会った美人で気だてが良いダンサー嫁さんのこと、奨学金を貰って音楽学校に通う優秀な息子のことまでフルコース。

その横を出前のメキシコ人のお兄さんが、あわただしく行ったり来たりしている。食後の口直しは、甘く濃厚な「理想の女性」論。

ショーケースに並ぶ見慣れない中東系料理のプレゼンの仕方もうまく、人気の店みたいだ。ランチタイムが始まり、大学生の一団が現れて、ジョナサンと私はやっと帰宅の許可を貰い、家路につく。

世界共通、締切直前の大騒動

2008年2月22日 金曜日

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フェデックスのお兄さんが現れるのを待つコンピュータ機材の山。10月のプロジェクトで使ったものが極寒のカナダから戻ってきた。今度は一路、暖かいフロリダに向かう。

一式を送り出して打ち上げ!…となるはずだったのだが、国外に発注したCGアニメーションが間に合わず、データを持って日曜日にオーランドに飛ぶことになってしまった。ビデオ編集自体もまだ終わりが見えないという典型的なドタバタ。

本当は今朝のフライトで帰国するはずだったけれども、直接オーランドからデトロイト経由で日本に戻ることに。変更一切不可の航空券だったため、生まれて初めてチケットの一部を捨てて買い直すという、ある意味ゴージャスな気分。

鋭意制作中

2008年2月18日 月曜日

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黒に映える大盛りのチューリップ

2008年2月16日 土曜日

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朝7時のブルックリン・ハイツを散歩していて、黒塗りの小さな花屋の前を通りかかる。

色とりどりのチューリップが大盛りに飾られていたのに目に留まり、続いて足が止まった。

開店前で店の奥は真っ暗。その暗闇の黒を背景に、静物画を見ているかのように色鮮やかにくっきりと浮かび上がっていた。さながら絵本に出てくるミステリアスな魔法の花屋という雰囲気。

場所はモンタギュー通りのすぐ側。マンハッタンのすぐ対岸にあるブルックリン・ハイツ地区は、金持ちが多く住む場所で、そういうお客さんが家を飾るために立ち寄るのだろう。花も客の家のインテリアを選ぶというわけだ。

花屋の数でその街の文化度がわかるという説もあるらしいが、花が生活を彩る習慣はアメリカやヨーロッパの方が浸透していると感じる。数日前に、バレンタイン・デーの夜にマンハッタンを歩いていて、男だけの行列をそこら中で見かけたが、その先をたどると全部花屋だった。

それにしても閉店時に通行人の足を止めさせるとはなかなかのセンス。今朝、街が動き始める前のこの瞬間、通りの主役は間違いなく、重たげに頭を傾ける丸々と太ったチューリップ達だった。

眼下にひろがるモノクロ写真

2008年2月14日 木曜日

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雪の降る夕暮れ、ノートマックを2台背負って、クライアントのオフィスに向かう。

長く厚いコートを着込んだ仕事人達が足早に歩いて行く。彼らのマンハッタン・スタイルの黒服に、強く降り始めた雪が積もり目立っていた。

マーケティング担当副社長が現れるのを待ちながら、暗くなり始めた外界をボーッと眺める。目の前のマディソン・スクエア・パークの色彩は、まるで白黒写真でも見ているようだった。

5番街にブロードウェイが斜めに交差する三角形の角地に立つ「フラット・アイアン・ビル」(写真中央右)は、ジョージア・オキーフの旦那、アルフレッド・スティーグリッツの写真でもよく知られていて、このエリアの名前にもなっている建物だ。丸い池のほとりに立つ銅像は、スティーグリッツがあの写真を撮ったときも、きっとあそこに立っていたのだと思う。

ところで、あの写真は白黒だったが、当時のニューヨークにはイエローキャブなど走っていなかっただろうし、カラフルな要素は皆無だろうから、カラーで撮ったとしても白黒写真に見えたのではないだろうか。自分が撮った写真を見てそんなことを感じた。

マンハッタンは変わるところは跡形もなく姿を変えるものの、一方で、アンティーク級の高層ビルが立ち並ぶところだ。 全部新しいようでいて、新旧が折り重なっているのだ。

ANA10便 通路側27H

2008年2月12日 火曜日

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「現地の天候は快晴、気温はマイナス11℃ との情報が入ってきています」

着陸30分前に機中に流れたアナウンスは、乗客のどよめきで迎えられた。強い風が吹く1日になりそうで、明日は雪が舞うという。

ひさしぶりに日系の飛行機に乗ったので、ニューヨーク到着は朝。いつものアメリカ機だとアジア発だから、成田経由の出発は夕方となり、着いてからすぐ夕食に出かけて1日目が終わるのだが、今回はランチミーティングのアポあり。

地平線に横たわる何層にも重なった夜明けのサンドイッチの下には、雪景色が延々と続いていた。

成田エクスプレス9号 5号車9番C席

2008年2月11日 月曜日

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秋にジョナサンと七転八倒して仕上げた映像が、クライアントのお気に召したようで、またお呼びがかかる。

大量のコンピュータ機材を引っ張り、ドアからドアまで18時間の旅路のはじまりはじまり。